モノやサービスを提供する企業が最も大切にしなければならない事は品質となります。ここでは、品質とは何かを学んでいきます。QC検定4級のテキストに沿っていきます。
目次
品質とその重要性
品質とは
品質(Q:Quality)とは、「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」をいう。お客様の考える品質と現状の品質の間に差があると考えられるときに「品質に問題がある」ということになる。
QCD
一般にいわれる広義の品質のことで、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(量・納期)の総称のことである。
品質優先の考え方
品質優先
組織をあげて品質を優先する考え方である。品質至上ともいう。品質を優先することで、お客様の満足につながり、売上・利益が向上し、さらに企業が発展するという望ましい循環が生まれる。
マーケットイン・プロダクトアウト
マーケットインとは、お客様の品質、コスト、量・納期などに対する多様な要求に対して、お客様の立場に立って応えていくことである。プロダクトアウトとは、お客様の要望をあまり考慮せずに、提供する側の都合を優先することである。
品質管理とは
品質管理とは
品質管理とは、顧客の要求や要望を把握し、これらを満たす製品を開発・製造、販売していくことである。従業員一人ひとりがバラバラに活動するのではなく、それぞれの職場内、職場間といった組織で協力し問題を解決する活動である。
品質管理活動
品質がばらつく原因は、人(Man)、機械・設備(Machine)、原材料(Material)、方法(Method)の四つのM(4M)である。品質は必ずばらつくものであること認識し、4Mをしっかりと管理することでバラツキを許される範囲に抑えていかなければならない。
お客様満足とねらいの品質
お客様満足
お客様とは顧客のことであり、製品を受け取る組織または人をいい、消費者、依頼人、エンドユーザー、小売業者、受益者、購入者などである。お客様が満足していると感じる状態をお客様満足、顧客満足(CS:Cusutomer Satisfaction)という。その程度を、お客様満足度、顧客満足度、という。
ねらいの品質
ねらいの品質とは、お客様の期待・要望の解析結果に基づき、お客様の立場に立って、製品やサービスの「あるべき姿」「ありたい姿」から設定した品質のことである。
問題と課題
「本来あるべき姿」と「現状の姿」の差を問題という。例えば、あるべき収率が95%であるのに対して、現状の収率が90%であるときに、5%の差が問題となる。
「将来においてありたい姿」と「現状の姿」の差を課題という。新規事業や新製品など、挑戦的な目標などが課題となる。
苦情・クレーム
苦情とは、製品または苦情対応プロセスに関して、組織に対する不満足の表現で、対応または解決が期待されているものをいう。苦情には直ちに処置をとる必要があり、処置には応急対策と再発防止がある。
クレームとは、自ら被った損害を説明して、その損害に対して責任ある相手に、損害の補償を求めることをいう。
参考文献:「QC検定受験テキスト 4級」, 細谷克也ほか, 日科技連