組織のなかでの人間関係を良好に保つことが大切ですが、とても難しいことです。人の性格は千差万別なので、誰にどのような対応をしたら良いかを、その都度考えていたら大変なことになります。数人の小さな会社でも、取引先や関連会社、地域などの人を加えれば、相当な数の人と付き合わなくてはなりません。
一人ひとりに特別対応していたら、こちらの身が持ちません。なので、千差万別の人の行動特性や思考方法を簡単に分けてみるということが提案されています。それが、ハーマンモデルなのです。このモデルを使って人事が人を分けているというのは、聞いたことはないのです。でも、人間関係に困っている人は、ハーマンモデルを使って人を類型化してみて、類型ごとに対応してみてはどうでしょうか。
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ハーマンモデル
ハーマンモデルは人の脳(思考タイプ/顕在意識/潜在意識)のどのレイヤー/部分が強く働いているかで、その人を類型化してみる方法です。まず、一つ目の軸は「理知/本能」となります。本当かはわかりませんが、「理知」とは大脳新皮質モード(顕在意識)が強くはたらくモードであると言われます。また、「本能」とは辺縁系モード(潜在意識)が強くはたらくモードと呼ばれます。さらに、もう一つの軸は「論理/感情」となります。「論理」とは左脳モードが強くはたらくモードであると言われ、反対に「感情」とは右脳モードが強くはたらくモードであると言われます。脳の形質や心理学的なワードが使われますが、そことの関係はあまりないと思われるので注意が必要であると言っておきましょう。
さて、この二つの軸で人を類型化してみると、簡単ですよね。2×2通りの人しかいないのですがら、いちいち人に合わせて対応を考えなくても、類型に合わせて対応していけばよいのですからね。簡単に人を類型化するのは危険なのですが、まあ、人を考える入口と考えてみてください。それでは、四つに分けた類型を説明しましょう。
理知×論理
理知×論理の類型は、理性派となります。理性的、論理的、分析的な思考タイプの行動特性を持ちます。
理知×感情
理知×感情の類型は、創造派となります。経験的、直感的、全体的な思考タイプの行動特性を持ちます。
本能×論理
本能×論理の類型は、堅実派となります。計画的、組織的、秩序的な思考タイプの行動特性を持ちます。
本能×感情
本能×感情の類型は、感覚派となります。炭塵的、感性的、精神的な思考タイプの行動特性を持ちます。
さて、四つに分けてみましたが、この四つに人の性格や行動特性を分けてみて、その結果を使って人事施策に役立てようとおもうなら、危険なのでやめておいた方が良いでしょう。そんな簡単なことではないからですね。ただ、チーム作りをするときに、右脳モードと左脳モードをバランスよく人を集めてみるぐらいなら、良いかもしれません。
参考文献:「ビジネス・フレームワーク」 堀公俊 日経文庫