会社など組織のなかで働いていている方に向けての内容です。組織に属さないで働いている人なんて居ないと思います。山のなかで仙人のように過ごしている人も、年に一度は人と話す機会もあるでしょう。コミュニケーションとは人類が存在している限り「ある」と言っていいものです。
誰かを食事に誘いたい、誰かをとっちめてやりたい、誰かと今後は没交渉関係になりたい、誰かにモノを買わせたい、ちょっとどいてほしい、授業で生徒の理解を深めたい、、、、いろいろです。言葉を使って面と向かってするコミュニケーションする場面ってのは、一日に何度も訪れます。そんななかで、うまくいかないな~と思っている人も多いでしょうね。そんなコミュニケーションって何なのかを理解すると、今後の処世に役立ちそうです。
さて、コミュニケーションは、二つの類型に収められるそうです。
1)伝達モデル
相手に何かを伝えることこと。伝達すべきことがらが存在していて、それを相手に伝えるというものです。伝達する目的と要求、そして、コミュニケーションがあった場合に明確な結論が存在するというものです。言葉を発さなければ、世界に何も影響を与えられないと捉えるモデルです。
2)構成モデル
コミュニケーションを、意味と感情が生み出される場所ととらえるモデルです。コミュニケーションの相互作用によってお互いが影響しあいながら、結論を持ちびき出すものです。目的と結論を事前に想定しているものではなく、コミュニケーションをするなかで、ある「意味」を生み出していくと考えるのです。伝達モデルでは、「黙っている」は何も生み出しませんが、このモデルで考えると「黙っている」は周囲や世界に影響を与えていると言えます。黙っていることで透明な存在になることはできません。コミュニケーションの否定という意味で積極的に「意味」を作っているのです。
さて、この構成モデルを使いこなすことで、自分に都合の良いコミュニケーションをすることができるようになります。やり方は、次回以降です。
参考文献:「コミュニケーションを学ぶ」 高田昭典 ちくまプリマー新書