脳の癖(本能)は五つあります。何かというと、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」「自己保存」「統一・一貫性」になります。この癖を利用すると、一気にゴールまで行って勝利できるようなるそうです。次に掲げるコツを憶えてください。そして、趣味や仕事に応用してみてください。
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ゴールに近づいたらゴールを忘れる
マラソン選手が競技場に先頭で戻ってきて、あと百メートルってところで二位の選手に一気に追い抜かれるなんてこと、よく見ませんか。このマラソン選手は優勝すると思った瞬間に力が抜けたのでしょう。二位の選手がダッシュしても、もう二度と追い越すことができません。これは、脳の癖のなせる業のようです。ゴールを意識した瞬間にできたと脳が思い込み、「自己保存」の癖が働いて、力が抜けてしまうのです。研究によれば脳の血流が少なくなるそうです。勝利のためには、ゴールの先を意識しながら、あと100メートルを一気に走りぬこうという思いが必要なのです。
必ずできると思い込む
「もうダメ」「無理だ」と考えると「自己保存」の癖がはたらいてしまうそうです。自己保存で自分を守ろうとして、脳の血流が下がるそうです。思考停止して、何も考えられなくなります。成功のための施策を検討することなく、次善の策も思いつきません。そんな状態で泥沼にはまり、底なし沼で溺れることになるのです。最後の最後まで、絶対出来ると思い込みましょう。
コツコツやるのは敵
コツコツと着実に仕事をこなす人は褒められることが多いですよね。しかし、ここにも「自己保存」の罠が潜んでいるのです。コツコツやるのは失敗を恐れていることと裏腹なのです。失敗を恐れる人は、失敗を考えるあまりに、自らを失敗に追い込んでく、そんな場面を見ることはありませんか。ミッドウェー海戦でゴーフォーブレークの考えかたで失敗を恐れず戦いを挑んだアメリカ軍が勝利したことを知っている人は多いでしょう。日本軍は失敗を恐れて、指揮官の「自己保存」の癖が働いて、攻撃が遅れて結局はすべての空母を失うことになりました。勝利に向けて全力投球しましょう。130%を目指しましょう。
目的と目標は分けて考える(KGIとKPIを設定する)
脳を正しく頑張らせるためには、「具体的な目標」が必要になってきます。KPI/具体的な目標を設定して、最初は短い期間で成功体験を積んでいきます。「うれしい」を重ねていくと、脳が喜ぶのです。小さな目標を設定することを日常生活でやってみてはどうでしょうか。一日一万歩で健康になろうとするなら、万歩計を見ながら昼食前の時刻、午後の休憩時刻、帰宅時刻、と小さく目標を設定して、それをクリアすることで小さな「うれしい」を脳に伝えます。そんなことで、週7万歩などが達成できるようになるのです。
目標をコロコロと易きに変えない
途中で目標をコロコロ変えると、「自己保存」の癖が働きはじめます。ゴールに行きつかなくてよいのだ、と思い込み始めます。そして、小さな失敗を重ねる毎に、目標をコロコロと変え始めるのです。結局、どうせできないやと思い始めて、結局ダメになるのです。小さな目標でも変えずに一気に駆け抜ける気持ちで達成しましょう。
主体性を持つ(上司に従順にならない)
「自分でやる」という主体性を持って考えたり行動すると、脳の「うれしい」が発生します。上司の言うことに対して物分かり良く仕事をする人は、「思考」がはたらきません。上司や先輩の言うことをよく聞く人は、行動や思考が他人任せになります。新しいアイデアは生まれないし、独創性は失われていきます。そんな人は、失敗しても他人の責任、自責という考えはありません。「うれしい」が発生せずに、脳の活動が低下していきます。
定石やマニュアルから外れてみる
定石やマニュアルは、考えることをせずに、効率的に趣味や仕事をことすことに利用されます。効率的に行動できることは、良いことですが、脳には良くないのです。ルールやマニュアルで効率的に仕事を進めることが多い組織は、部下の考える力を落とし、自ら発想する人材が育たない環境をつくっています。ルールやマニュアルに従わせるだけでなく、何故にルールやマニュアルがあるのか、その意味は何かを考えさせることが重要になってきます。ルールに従わせられていると思わせるのではなく、主体的にルールを守っているのだと思わせることができれば成功です。一人ひとりがルールの意味を考えて、より良いルールやマニュアルを作ろうという意識が育つ組織が良いと言えるでしょう。
ゴールが見えたからといってリラックスしない
「持てる能力を発揮するには、緊張してはだめだ。リラックスした方がよい。」というアドバイスは大きな間違いだそうです。気持ちが高まると、交感神経が刺激されて、心臓や呼吸器が活発に働き、脳や手足に十分な酸素が送り込まれます。運動のエネルギーとなるブドウ糖も、放出されるアドレナリンが肝臓のグリコーゲンを分解することで作られます。ここぞ!というときの緊張感は、脳が活発になり身体の機能を最大限に発揮させるのです。緊張感はゴールを駆け抜けて勝利するために必要なものなのです。
緊張しすぎると、身体が震えたりするので、そんなときは息をゆっくりと吐く呼吸法が効くそうです。試してみてください。
参考文献:「脳に悪い7つの習慣」 林成之 幻冬舎新書