従業員のモラールアップのために
個人事業主にとっては、自分の気力だけが事業を進める活力になります。事業が成長するにつれて、自分ひとりで事業を回すのが難しくなってきます。そこで、誰かを雇うということになるわけです。
家族経営で娘や息子を雇うにしても、アルバイトを雇うにしても、その従業員のヤル気の大小が業績に大きく影響していきます。例えば、居酒屋の配膳アルバイトのハッキリとした大きな返事や気持ちいい態度が、お客様のビールもう一杯の注文、お客様の焼き鳥盛り合わせをもう一回の注文、につながるのです。
昨日今日雇ったそんな従業員にヤル気を出してもらうにはどうするのでしょうか。時給を上げる、ボーナスを出す、チップ制にする、売上に対して成功報酬を支払う、、、などなど、賃金アップにつながってしまう施策ばかりを思いついてしまい、経費ばかりが増えてしまうことになったりすることが多いのです。
もっと、スマートに、せっかく働いてもらうのだから、生き甲斐やヤル気につながったり、仕事に対してモチベーションを高めてもらったり、問題を自ら発見して解決する従業員になってもらうにはどうしたらよいのでしょうか。経営者のそんな悩みに答えてくれるのが、「バーナードの三原則」になります。
バーナードの三原則
バーナードの三原則は、三つの項目から構成されます。簡単に言うと、まず初めに明確な目標を示す。これは、個人個人に目標値やノルマを与えるということではなく、お店や会社や部門など、ある程度の大きさを持つ組織の目標を従業員に示すということです。そして、この目標を達成したいという思いを経営者みずから、従業員に語り掛ける。従業員すべてに経営者の思いや情熱を伝えるということです。経営者の思いや情熱が従業員に伝われば、従業員のモラルが向上し、一人ひとりがその目標を達成するための貢献がしたいという思いが、出てくる。貢献意欲がわいてくるということなのです。
そのためには、普段から経営者と従業員の関係は密接であり、心を通じ合うものにしていく必要があります。この原則を絵にしてみると下の様になります。経営者としての心得は、1)常にわかりやすい明確な組織目標を掲げる、2)普段から従業員とのコミュニケーションを図る、3)従業員の貢献意欲(モラール)向上に心を砕く、ということになります。