質問:あなたが投資する場合、どちらにしますか
回答A:大幅に値上がりし、何年間も高値圏にある株式
チャールズエリス著 「敗者のゲーム」 p176
回答B:大幅に値下がりし、何年間も低位にとどまっている株式
正解は回答Bだそうです。理由は、株価が下がり低迷することが、あなたにとってベストであり、現在投資する資金から、将来、より多くの配当収入を得る権利を手に入れることができる、からです。
もしあなたがここで述べた単純なクイズから導かれる洞察力を、合理的な投資の考え方や行動に生かすことができれば、自分の感情がしばしば合理的な利益に反するような動き方をするのに気づくだろう。あなたは群集心理に巻き込まれて、株価が上がったときに飛びついて買い、下がった時に慌てて売るといった誘惑に打ち勝つように、自分自身を訓練していかなければならない。
チャールズエリス著 「敗者のゲーム」 p178
ここでも心の問題が出てきました。長期投資家ならバイアンドホールドが最もお勧めな方法であることがわかります。定期的に株式を購入する方法(ドルコスト平均法)も株価が下がったときに、恐怖を感じないで株式を購入することができる方法です。恐怖や有頂天といった感情をいかに排することができるか、涅槃の境地に至った人が長期投資家として成功するといってもよいのでしょうね。
もしあなたが上昇相場で興奮してしまい、下げ相場ですっかり落ち込むようなことがあるとすれば、それは考え直した方がよい。ブレーキをかけなさい。散歩に出て頭を冷やそう。さもなければ、あなたはすぐに群集心理に取りつかれ、何かをしなければ気がすまなくなる。そして、間違いを犯し始めるが、それは将来後悔するような大失敗になるかもしれない
チャールズエリス著 「敗者のゲーム」 p179
毎日の株価の上下は気になるものです。気にするなといってもムダなことです。そんなときは、上のフレーズを繰り返すとよいかもしれません。株価の動きはランダムウォークなのです。誰にも予測ができません。上がったから下がることを見込んで売ったり、下がったからといって悲観して売ったりしないようにしましょう。上がったら待つ、下がっても待つ、の心境が必要です。
そんな心境になるためには、余裕資金のすべてを使って、株式かETFか投資信託を買ってしまいましょう。フルインベストメントです。普通のサラリーマンなら、仕事があるので、売ったり買ったりする時間もないことでしょう。すべて、後の祭りと言い訳がつくようにしておいて、何もしないのが得策です。