どんなポートフォリオであれ、長期総合収益の一番大きな部分は、最もシンプルで、簡単に実行できる投資決定から生み出されている、といえるだろう。そして、これまでで最もシンプルな方法といえば、「市場ファンド」(もしくはインデックス・ファンド)を買うことである。ただし、これは運用機関および大多数の投資家にとって人気のない方法である。
この退屈な「市場と同じポートフォリオ」は、それ本来の尊敬をあまり受けていない。しかし、この非創造的で、安上がりで、「頭を使う必要のない」方法で、一歩ずつ歩いていくという簡単な運用方法が、長期的には、名だたるプロの運用機関より良い成果をあげているのである。
チャールズエリス著 「敗者のゲーム」 p52
「敗者のゲーム」が出版された当時は、株式投資においてはプロの運用によって高い収益を得るというのが当たり前だったようです。現在の状況は、インデックスファンドやETFを購入するのが当たり前と言われていますね。でも、投資資産の何割かは、やはり自分の勘を信じて個別株を購入したりする人が多いかと思います。インデックスファンドが最も効率的になるためには、個別株をよく考えて売り買いする運用機関や個人が必要になります。そんな非効率な人々がいるおかげで、インデックスファンドが最も効率的になるのだと聞きます。なので、インデックスか個別かを選ぶのは裏表の関係にあると言えるでしょう。
さて、そんな非効率な投資をする運用機関や個人が参加する市場の動きは、「効率的」市場と言われます。この効率的市場の動きはランダムウォークすると言われます。
そのような市場は「効率的」市場と考えられる。この「効率的市場」における相場の動きは「ランダムウォーク」(まったく法則性のない変動)と呼ばれれるパターンに従うといってよい。それは、ディーラー用に相場を時々刻々送るティッカーテープから目を離さないような、相場を細かく観察している人間でも、将来の相場変動を予測できないことを意味する。
チャールズエリス著 「敗者のゲーム」 p54
素人は上がる下がるを予想しないで、インデックスファンドを買って、持ち続けるのがもっとも効率的な株式投資になるのだそうです。それも、フルインベストメントにすることが重要なのです。