来店したお客様に、運よく仕入れることができた良い商品を買ってほしい。考えに考え抜いたベストな提案を上司にOKしてもらいたい。高度な分析を行った成功間違いなしのコンサル案をクライアントに決定してほしい。夏休みは家族で温泉旅行に出かけたい。カップルで涼しい高原リゾートでお泊りしたい。
相手に受け入れてもらって成功ということは、人間関係が存在する家族や会社、商取引のなかでいっぱいあります。思いが相手に伝わらずに、がっかりしたり、愚痴ってみたりなんてことは、日常茶飯事ですね。そんな人間関係のなかでの成功は自分と相手があって成立します。あなたは、相手に自分の考えを上手に伝えれば、受け入れてもらえると思っていませんか。上手に思いや考えを伝えたのに、受け入れてくれない相手を馬鹿だとか、変人だとか思っていませんか。それは、ちょっと違うのです。相手に受け入れてもらうには、ある戦術が必要だったのです。(ということらしいです。)
フレームワークを使ってデメリットも伝える
失敗の原因の多くは、良いことばかりを相手に伝え、商品や提案のメリットだけをプレゼンテーションしていることだと言われています。「成功法則:決める前に分けてみる」で述べたようにフレームワークを使って相手に提案を伝えると成功確率が高まるようです。良いことばかりを伝えられた相手は、騙されてる?とか隠し事があるのか?などなど、あなたに対して不安を持つのです。メリットとデメリットを伝え、デメリットの回避策を示すと説得力が増すのです。これは、心理実験でも確認されていて、「一面提示/両面提示」と呼ばれ、説得テクニックのひとつなのです。
メリットだけを伝えるにしても、その案を多面的にとらえ、短期/長期、現在/未来、、、など多面的かつ網羅的に説明すると、相手は安心するのです。アイデアを提案するにしても、A案/B案/C案、松/竹/梅、などなど複数案を提示して、お勧めの案を提案すれば説得力が増します。
ここで、活躍するのがフレームワークを使って全体を提示し、かつMECE(漏れなく/重複なく)で説明することです。そして、相手はあなたの提案を、独りよがりなものでなく、大切なポイントは網羅されている、と判断するのです。安心した相手は、論理性/合理性に間違いがないはずの、あなたの提案を選ぶことでしょう。さあ、やってみてください。
参考文献:「ビジネス・フレームワーク」 堀公俊 日経文庫