目次
改善
改善とは
改善とは、「少人数のグループまたは個人で、経営システム全体またはその部分を常に見直し、能力その他の諸量の向上を図る活動」です。
維持活動と改善活動
維持活動は、現在の工程などがもつ実力をめいっぱい発揮させて、それを安定した状態に維持し、異常が起こらないようにしていく活動である。
改善活動は、品質を向上させて能率や歩留まりを上げ、不適合品(不良品)を減らし、原価の低減をはかるなど、工程の実力をいっそう高めていく活動である。改善活動と維持活動が繰り返して行われるのが、理想の姿である。
継続的改善
継続的改善とは、「問題、または課題を設定し、問題解決、または課題解決を繰り返し行う改善」のことである。標準化 ⇒ 管理(維持)⇒ 改善 ⇒ 標準化 ⇒ 管理(維持)⇒ 改善 を段階的に進めていくことが求められる。
QCストーリー
QCストーリーは、問題解決の手順(ステップ)を示したもので、データに基づく問題解決法のことである。小集団活動(QCサークル活動)を実施する場合でも、問題解決のときと問題解決後の発表(報告)にこのQCストーリーが使われる。
3ム
3ムとは、「ムリ、ムラ、ムダ」の3語をまとめた表現で、現場での仕事のムリをなくすこと、仕事や品質のムラをなくすこと、そしてムダな仕事や資源・エネルギーのムダな使用を無くすことである。
小集団活動とは
QCサークル活動
小集団とは、「第一線の職場で働く人々による、製品またはプロセスの改善を行う小グループである。この小集団は、QCサークルと呼ばれることもある。」という。この小グループは、「運営を自主的に行い、QCの考え方・手法などを活用し、創造性を発揮し、自己啓発・相互啓発をはかり」活動を進める。
<QCサークル活動の基本理念>
・人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す。
・人間性を尊重して、生きがいのある明るい職場をつくる。
・企業の体質改善・発展に寄与する。
QCサークル活動の進め方
手順1 QCサークルを結成し話し合う。
①メンバーがお互いによく知り合う
②サークルの運営について話し合う
③職場の問題について話し合う
手順2 業務知識やQC手法の勉強をする。
手順3 活動計画を作成する。
①年間などの長期計画を立てる
②個別にはテーマごとの達成目標、活動の手順、メンバーの役割分担、スケジュール(実行計画)を決める
手順4 改善・維持活動
常に問題意識、改善意識をもち、QCストーリーに則って、QCの考え方、QC七つ道具などの手法を活用、駆使して改善・維持活動を行う。
手順5 活動結果を発表し、認めてもらう
活動成果を体験談としてまとめ、発表する。
この活動を継続的に繰り返すことによって、QCサークルの成長、メンバー一人ひとりの成長につなげる。
重点指向とは
重点指向とは、企業経営に影響の大きい問題や、結果への影響の大きい要因に対して、高い優先順位を与えて問題解決、改善に取り組んでいく考え方である。パレートの法則を前提にする考え方が役に立つ。これは、大方の結果を支配する少数の要因を見つけて解決に取り組むことをであり、重点指向ともいわれる。
パレート図(作図中)
参考文献:「QC検定受験テキスト 4級」, 細谷克也ほか, 日科技連