ワクチン供給が突然ストップしてしまって、お怒りの方も多いでしょうね。私も接種券を入手したのですが大規模接種や集団接種の会場が予約でいっぱいで、どうしようか思案しているところです。職域接種に期待もしたのですが、ワクチン申請が遅くなってしまって、予定が立てられない状況みたいです。さて、今回のひっ迫の状況は、よく考えてみると予測できたのかなと思うのと、あと数か月もすれば在庫が余る状況になるだろうという予測が立てられるのかなと思っています。
ブルウィップ効果と言われていて、流通で現れる現象としてけっこう古くから確認されているのです。ブルウィップ効果で説明できる現象が、今回のワクチン逼迫を説明できるのではないか、と考えられます。
ブルウィップ効果
ブルウィップ効果とは、発注と在庫の状況が下図で説明できるものです。暑くなると居酒屋でビール!という人も多いでしょう。ちょっと暑くなると、誘い合って居酒屋ですよね。そして、「最初はビール!」で大勢がビールを注文すると居酒屋のビール在庫が少なくなってきます。これを機会に売り上げ増を狙う居酒屋主人は、多めにビールを問屋に発注します。いつもより多めの発注をもらった問屋は、もっと多めのビールをメーカーに発注ということになります。多めの発注でメーカーは増産するという結果がになります。
でも、消費者がビールを無限に飲むわけでもないので、ビール在庫が余り始めるというということです。こんなことが起こる原因は、発注情報が流通経路をさかのぼっていく段階で安全在庫を保つために多めの発注が重なっていくことにあります。さらに、情報伝達にタイムラグがあるためです。
どの段階の事業者も無駄な多めの発注を防いで、計画的にすんなりとビールを届けていきたいですよね。これには、情報をすべての段階で共有するということが重要なのです。最終消費者のビール好き男の注文の状況や、嗜好変化や天気の長期予報、、いろんな情報から無駄な発注を防ぐことが重要なのです。会社が最も効率的に運用できて、最高の利益を上げるためにもムダ発注は敵なのです。
今回のワクチン逼迫の原因も、情報の伝達や共有がうまくいかず、みんな焦りに焦りまくって、ワクチンを発注してしまったのが原因かもしれません。政府は大丈夫だ!と言うだけでなく、本当の情報を共有すべきでしょう。